調査と根拠

競合の事実を1件1行の主張台帳に記録し、営業に渡せる根拠にする

集めた競合情報を、主張・出典URL・確認日・ステータス・担当者・見直し日を持つ1行にまとめる方法。Claudeで出典を確認する手順も説明します。

Steve最終更新

主張台帳とは、競合に関する事実を1件1行で記録する表です。各行に、主張、対象、項目、出典URL、確認日、ステータス、担当者、見直し日を置きます。まず空の表を開き、開いているタブの一つから、営業担当者に伝えそうな事実を一つ選び、リンクを添えて1行に書いてください。

単位を「主張1件」にする理由

タブを閉じたあとに残る記憶は、条件や範囲を失うことがあります。たとえば「年間契約で1ユーザーあたり月額49ドル」が「ユーザー単位の課金」に縮まる場合があります。記憶だけではURLや確認日が残らないため、そのメモだけでは営業担当者が検証できません。

1行に置くのは、正しいか誤りかを判定できる大きさの主張一つと、それを裏付けるページです。「Acmeは高い」は複数の行から導いた判断で、ポジショニングのメモに、根拠となる行番号を添えて書く内容です。

どの競合とどの項目を追うかは、記入を始める前に決めます。決め方は競合調査の計画で説明しています。

1行に置く8つの列

まずはこの8列で始めます。この方法では、どれかを省くと見直しに使う情報が欠けます。列を増やすのは、自社の手順で必要な場合に限ってください。

列記入する内容
主張自分の言葉で書いた、確認できる粒度の主張一つ。数値には単位と課金期間を残します。
対象その主張が指す競合、または自社製品。
項目価格、プラン構成、連携、セキュリティ、サポート、ロードマップなど。調査計画と同じ分類を使います。
出典主張を裏付けるページのURL。ページが長い場合は、根拠にした一文も添えます。
確認日出典を開いてその一文を読んだ日。
ステータス確認済み、未確認、社内情報、矛盾あり、廃止のいずれか。
担当者営業から「これはまだ正しいか」と聞かれたときに答える人。
見直し日次にこの行を開く日。事実が変わる速さから決めます(後述)。

ステータスは5種類で、意味を固定します。確認済みは、出典を自分で開き、主張のとおりに書かれていると確かめた行です。未確認は、開ける出典がない、または出典の記述が主張と少し違う行で、営業には渡しません。社内情報は、失注メモなど自社の資料から得た、外部の出典では確認していない行で、ラベルを付けたまま使えます。矛盾ありは、別の行と食い違っている行で、解消するまで両方を残します。廃止は、見直しで出典が消えた、または内容が変わったと分かった行で、日付とともに残し、記憶から再登録されるリスクを減らします。

練習用の5行

次の表は練習用の架空の例です。「Acme」は実在せず、URLと金額は仮のものです。

主張対象項目出典確認日ステータス担当者見直し日
スタータープランは年間契約で1ユーザーあたり月額49ドルAcme価格example.com/pricing のプラン表2026-09-14確認済みPMM2026-10-14
Salesforce連携で商談を双方向に同期できるAcme連携example.com/integrations/salesforce の「双方向同期」の段落2026-09-14確認済みPMM2026-12-14
スタータープランではSSOを使えないAcmeプラン構成該当ページなし。プラン表からの推測2026-09-14未確認PMM2026-09-21
8月に失注した案件で、導入支援を無償で付けていたAcmeプラン構成CRMの案件メモ 4412、2026-08-202026-09-14社内情報営業担当2026-10-14
スタータープランは1ユーザーあたり月額59ドルAcme価格第三者のレビュー、2026年6月2026-09-14矛盾ありPMM2026-09-21

最後の行を最初の行と並べて読んでください。レビューは59ドル、今日の料金ページは49ドルです。値上げがあったのか、投稿者が別のプランだったのかが分かるまで、両方の行を「矛盾あり」のまま残します。平均して1行にすると、食い違いが見えなくなります。

3行目は推測です。プラン表に書かれているのは「エンタープライズプランにSSOが含まれる」で、スタータープランにないとはどこにも書かれていません。明記したページが見つかるまで「未確認」のままにします。商談でセールスエンジニアが確認できた場合は「社内情報」になります。

台帳を腐らせない3つのルール

出典がなければ、行にしない。 自分で開けるものがない主張は、「未確認」として入れるか、入れません。URLのないスクリーンショット、営業担当者の記憶、リンクのないAIの回答も同じです。ページが見つかった時点で、行に出典とステータスが付きます。

食い違いは2行にする。 両方を残し、両方に「矛盾あり」を付け、どちらが新しくベンダーに近いかをメモします。自分の筋書きに合うほうを選ぶと、バトルカードの誤りを誰もたどれなくなります。解消の進め方は競合情報が食い違うときの判断で説明しています。

古い行は削除せず、日付を付けて廃止にする。 3月には正しく、9月には消えていた事実は、両方の日付とともに「廃止」として残します。行を残して廃止の理由を記録すると、記憶だけを頼りに同じ主張を再登録するリスクを減らせます。

営業に渡す前に、行ごとに次の点を確認してください。

  • 主張は一つの断定で、該当する場合は数値・単位・課金期間を含んでいる。
  • 出典は確認日に開いたURLで、根拠にした一文がそのページにある。
  • ステータスは確認済みである。社内情報はラベル付きでのみ渡し、未確認は渡さない。
  • 担当者と見直し日が記入されている。
  • この行と食い違う行があれば、両方に矛盾ありが付いている。

Claudeで1件ずつ確認する

対応モデルでウェブ検索を有効にすると、Claudeのウェブ検索回答には出典が付きます。2026年9月16日に確認したAnthropicのウェブ検索のヘルプページによると、無料アカウントは利用上限の範囲内で検索でき、TeamとEnterpriseではオーナーによる有効化が必要です。主張の裏付けになるページを探す手段としては速い方法です。ただし、出典は開いて確認すべきリンクであり、確認は利用者の仕事です。

作業は、その競合のために使っているClaudeのプロジェクトの中で行い、台帳のファイルをナレッジに入れておきます。Claudeから記録済みの行が見えるようにするためです。

  1. 主張を一つだけ渡す

    「Acmeのスタータープランは1ユーザーあたり月額49ドルか」のように、1行分だけ尋ねます。「Acmeを調べて」と広く頼むと、出典が混ざった要約が返り、どのリンクがどの文を裏付けているか分かりません。確認点は、回答が一つの主張について述べ、使ったページを示していることです。

  2. 根拠の一文とリンクを求める

    Claudeが根拠にした箇所を、URLとともに原文のまま引用してもらいます。引用できなければ、その主張は「未確認」で登録します。確認点は、引用した文に、主張と同じ数値、単位、期間が含まれていることです。

  3. リンクを自分で開く

    ページ上でその箇所を読みます。この手順で、ページに書かれていない内容へ言い換えられた引用を見つけます。確認点は、ページの文が引用と一致し、そのページがベンダー自身のものか、名前を挙げて引用できる独立した情報源であることです。

  4. 行は手で記入する

    主張、URL、日付、ステータスを自分で台帳に貼り付けます。開いていない出典からClaudeが書いた行は、確認済みのラベルが付いた未確認の行です。確認点は、新しい行の確認日が今日になっていることです。

2つ目の手順で使える文面です。

次の主張を1件だけ確認してください。「[台帳に書いた主張をそのまま]」
ウェブを検索し、この主張を裏付ける、または否定する文をページから正確に引用し、そのページのURLと、表示があればページの日付を添えてください。
そのように述べているページが見つからない場合は、見つからないと答えてください。関連するページからの推測はしないでください。

無料プランでは、同じヘルプページに書かれているとおり、検索の回数が一定時間ごとの利用上限に数えられるため、長い確認作業は途中で止まることがあります。また、Anthropicの開発者向けのCitations機能(英語)はAPI専用の別機能で、チャットで表示されるリンクとは関係ありません。

AIによる調査の結果として出てきた主張については、AIが示した出典を確認する手順で追加の確認方法を説明しています。

見直し日は、事実が変わる速さで決める

次の区分は、測定済みの有効期間ではなく、説明用の開始例です。実際に観察した変化の頻度とリスクに合わせて調整してください。

  • 速い。 価格、プランの上限、期間限定の特典、従業員数。毎月、または営業担当者から変更の報告があった時点で見直します。
  • 中程度。 連携、セキュリティ認証、公表されている導入企業、機能の提供状況。四半期ごとに見直します。
  • 静的。 設立年、本社所在地、資金調達の履歴。変化に気づいたとき、少なくとも年に一度見直します。

見直し日には出典をもう一度開きます。同じ内容なら確認日を更新し、次の見直し日を設定します。内容が変わっていれば、新しい主張の行を追加し、古い行を「廃止」にします。ページが消えていれば「廃止」にして、消えたことを記録します。確認済みの行の主張をその場で書き換えてはいけません。古い行が履歴です。

バトルカードの一文は、すべて確認済みの行にたどれる必要があります。カードの各行の横に台帳の行番号を残しておけば、営業からの「まだ正しいか」という質問に台帳を参照して答えられます。カード自体の書き方は営業が実際に使うバトルカードで説明しています。

手作業の確認が追いつかなくなるとき

担当者が見直し予定に沿ってすべての出典を開き直せる間は、この台帳で運用できます。出典の確認が繰り返し省かれるようになると、台帳は機能しにくくなります。表計算ソフトだけでは、確認が省かれたことを検知できません。

Steveは、バトルカードの各主張を、ステータス(確認済み、要確認、未確認)とその根拠となる出典とともに表示します。出典の確認が繰り返し省かれるなら、Steveの競合リサーチを検討してください。行単位で自分が管理できる記録が必要なときは、自分の台帳を維持してください。

よくある質問

主張台帳とは何ですか?

競合に関する事実を1件1行で記録する表です。各行に主張、対象、項目、出典URL、確認日、ステータス、担当者、見直し日を置き、バトルカードの一文がどのページに基づくかを後からたどれるようにします。

すべての行に出典が必要ですか?

はい。自分で開けるページがない主張は、台帳に入れないか「未確認」として記録し、営業には渡しません。URLのないスクリーンショット、営業担当者の記憶、リンクのないAIの回答は、調べる手がかりにとどまります。

出典どうしが食い違うときはどうしますか?

両方の行を残し、どちらにも「矛盾あり」を付けます。どちらが新しく、ベンダーに近い情報かもメモしてください。1行にまとめると食い違いが見えなくなります。解消は別の作業として進めます。

Claudeに台帳を書いてもらえますか?

ウェブ検索を有効にしたClaudeは、根拠になりそうなページを探して引用できます。ただし、リンクを開いて行を記入するのは自分の作業です。チャットの引用は確認すべきリンクであり、ページがその内容を述べている保証ではありません。

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Steveは、バトルカードの各主張をライブウェブで確認し、すべての行に出典とステータスを表示します。