# ITreviewとBOXILの口コミから競合の弱みを読む方法:偏りと利用規約の注意つき ITreviewとBOXILの口コミから競合の弱みを読む手順です。先に利用規約を確認し、高評価や匿名への偏りを数え、20〜40件をIDつきでClaudeに貼り、原文の引用と件数で表にします。 URL: https://www.hiresteve.ai/ja/blog/itreview-boxil-competitor-reviews 最終更新: 2026-10-12 ITreviewとBOXILは日本の主要なB2Bソフトウェアレビューサイトで、数えた1製品の口コミは高評価に偏り、投稿者の多くが匿名でした。競合の弱みを読むなら、まず両サイトの利用規約を確認し、一つの競合と一つの問いに絞り、サイトの絞り込み機能で選んだ20〜40件に、IDとURLを付けてClaudeに貼ります。Claudeには要約ではなく原文の引用を求め、返ってきた引用を一つずつ元の文と照合します。得られるのは「このサンプルで何件がそう書いたか」であり、市場全体の評価ではありません。 ## 先に利用規約を読む 規約が方法を決めるので、方法より先に読みます。ITreviewの利用規約(運営はアイティクラウド株式会社、改定2025年11月19日、2026年10月7日に全文確認)は、禁止事項に「ITreviewへのスクレイピングおよびクローリング」(⑤)と「ITreviewを利用した、営業活動または営利もしくはその準備を目的とした行為」(⑥)を挙げています。著作権の条項では、コンテンツの全部または一部を「ITCの事前の承諾なしに、転載、複製、出版、放送、公衆送信等」することを禁じています。BOXILの利用規約(運営はスマートキャンプ株式会社、2026年10月1日改定・施行、同日に確認)は、システムに過度な負荷をかける行為と、BOXILと競業する行為を禁じ、末尾で「著作権法により認められる場合を除き」コンテンツを複製、公衆送信、転載する行為は著作権法により禁止されていると述べています。BOXILの規約に、スクレイピングやクローリングという語はありません。 **社内の競合調査での利用可否は、規約の文面だけでは決まりません** 画面で読んだ口コミの一部を社内分析のためにAIに貼る行為が、ITreviewの⑥やBOXILの複製の禁止に当たるかどうかを、どちらの規約も明示していません。この記事は「許可されている」とは言いません。規約は上記の行為を禁止しています。社内利用の可否は、運営会社と社内の法務に確認してください。それまでの実務としては、画面で読む、必要な箇所だけを控える、URLを残す、メモは言い換えで書く、口コミ本文を保存や再公開しない、まとまった量を使うなら事前に許可を求める、という運用が無難です。社内の法務にも確認してください。これは法的助言ではありません。 ITreviewの規約には、提供されるコンテンツが「AI機能による情報収集及び編集により提供される場合があります」とあり、正確性や最新性は保証されません(免責事項)。製品ページに表示される「レビューに基づくAI要約」も、サイト自身が「AIが内容をわかりやすく要約しました」と注記する機械生成の文章です。要約を証拠にせず、口コミ本文を読んでください。 ## 二つのサイトの口コミは何でできているか プロンプトを書く前に、貼り付ける口コミにどの項目があるかを知っておきます。2026年10月7日に読んだ両サイトのページでは、1件の口コミに次の項目がありました。 | 項目 | ITreview | BOXIL | | --- | --- | --- | | 投稿者の表示 | 公開範囲(名前公開/企業名のみ/非公開)、「企業所属 確認済」の表示 | 匿名のユーザー/ユーザー | | 属性 | 業種、立場(ユーザー/導入決定者/IT管理者)、企業規模、契約タイプ | 業種、利用状況、利用アカウント数、投稿日 | | 評価 | 満足度(5段階) | 総合(5段階)と要素別のスコア | | 自由記述 | 良いポイント、改善してほしいポイント、どのような課題解決に貢献したか | 導入後の効果・メリット、良いポイント、改善点 | | 謝礼の表示 | 今回確認した範囲では口コミごとの表示なし | 「投稿経路 キャンペーン」の表示(該当する口コミのみ) | 弱みの本文は、ITreviewなら「改善してほしいポイント」、BOXILなら「改善点」に集まります。BOXILの要素別スコアは、ぽこしー氏のnote記事(2023年1月14日)によると、「使いやすさ」「お役立ち度」「カスタマイズ性」など9つの要素を1〜5点で評価する形式です。古い口コミでは項目が異なる可能性があり、今回は確認していません。 数の偏りも先に見ておきます。ITreviewのSansanの口コミ一覧(2026年10月7日に閲覧。代表的な大規模製品として選んだだけで、Steveの競合ではありません)の絞り込み件数を合計すると、次のようになりました。 - 口コミ総数(1製品、1日): 737件 - 満足度4.0以上: 67.8% - 満足度3.0未満: 5.6% - 公開範囲が非公開: 79.9% 立場の内訳は、ユーザー645件(87.5%)、導入決定者28件(3.8%)、IT管理者64件でした。1製品を1日見た数字であり、サイト全体の傾向ではありません。それでも、新着順や満足度の高い順に並べたサンプルがほぼ高評価で埋まることと、低評価が少ないことは分かります。不満の本文は、3〜4点の中間評価の「改善してほしいポイント」に残っている可能性が高く、そこを読みに行きます。 ## 謝礼と審査を、偏りの事実として記録する 両サイトとも、投稿への謝礼を否定していません。ITreviewのコミュニティガイドライン(改定2022年2月7日)は「製造者や販売者から対価を得て投稿すること」を禁じていますが、ベンダー製品のキャンペーンページでは2026年6月3日から14日の製品別キャンペーンで「最大2,000円分のAmazonギフトカード」が、2022年のサイト全体のキャンペーンでは「1件承認・掲載されるごとに」1,000円分のギフト券が案内されていました。運営が公開しているキャンペーンについての扱いは、各規約で確認してください。ただし、ITreviewの口コミに、その1件がキャンペーン経由かどうかの表示は今回見つけられませんでした。ITreviewの口コミが謝礼付きだとも、謝礼なしだとも言えません。 BOXILの口コミガイドライン(2024年12月19日改定・施行)も「製品・サービス提供者から対価を得て行う口コミ」を禁じつつ、運営と提供者が共同で実施するキャンペーンなど運営が承諾した場合を除くと定めています。BOXILは2019年11月25日から口コミ投稿キャンペーンを開始し(スマートキャンプ公式note)、2023年8月19日付の口コミにも「投稿経路 キャンペーン BOXILが口コミ投稿に謝礼をお渡ししています」の表示が残っています。謝礼付きの口コミが嘘だという意味ではありません。サンプルのうち何件にこの表示があるかを数え、記録します。 審査についても、分かっている範囲を書いておきます。ITreviewは、匿名公開を含む全件で投稿者の所属を確認し、約10万件のうち約20%を再投稿依頼または非掲載にし、掲載中の約2割が平均満足度より低い、と自社のITreview Labo記事(2022年11月8日公開)で述べています。運営自身の説明であり、第三者の監査ではなく、数字は4年近く前のものです。ITreview Gridの算出では、ベンダー社員と競合企業社員の投稿を除外し、新しい口コミが反映されやすい設計だと説明されています。 ## サンプルを選び、偏りを書いてからClaudeに渡す **競合を一つ、問いを一つに絞る** 「Acmeについて、中堅企業の導入決定者は何に不満を持っているか」のように、製品、問い、日付を一つずつ決めます。複数の競合を一度に扱うと、後で件数の比較ができなくなります。 **サイトの絞り込み機能でサンプルを決める** ITreviewでは企業規模と立場で絞り、満足度が低い順と投稿日の新しい順の両方を見ます。BOXILでもページの並び替えで新着と低評価を確認します。どう選んだか、全体で何件あるかを一文で書けることが条件です。 **サンプルの注意を3行で書く** 評価の分布、非公開の割合、キャンペーン表示の件数、確認した日付を、分析の前に記録します。この3行がない表は、後で読んだ人が偏りを判断できません。 **IDとURLを付けて貼る** 20〜40件にR01、R02とIDを振り、各件のURLと、立場・企業規模・契約タイプなどの属性を本文の横に残します。IDのない口コミは引用を照合できないので貼りません。 **引用を一つずつ照合する** 返ってきた引用を、自分が貼った本文の中で検索します。一字でも違う引用は削除します。言い換えを引用として受け取ると、表全体の信用がなくなります。 貼り付け先は、通常のClaudeチャットかプロジェクトです。これらのサイトに接続するコネクタは見つかっておらず、規約の確認も必要なため、人が画面で読んで貼る前提になります。Anthropicの説明では、プロジェクトは固有のチャット履歴とナレッジを持つ作業領域で、1つのチャットにアップロードできるファイルは最大20件です(support.claude.com、2026年10月7日確認)。繰り返し行うなら、競合名と上の運用ルールをプロジェクトの指示に入れておきます。 ## Claudeに「要約」ではなく「抜き出し」をさせる プロンプト:競合への不満をテーマ別に原文で抜き出す ```prompt 以下はAcmeの口コミです。各口コミにID(R01…)とURLを付けています。 目的:「改善してほしいポイント」「改善点」に書かれている不満だけを、テーマ別に整理すること。 ルール: 1. 各テーマに、口コミ本文から日本語の原文をそのまま2〜3か所引用し、IDを添える。言い換えや要約を引用に使わない。 2. 事実(機能の有無、価格、障害)と、書き手の感想を分けて書く。 3. このサンプルでそのテーマに触れた口コミ数を「n件/全体N件」で書く。市場全体の割合とは書かない。 4. 投稿者の立場・企業規模が分かる場合は併記する。分からなければ「不明」。 5. どのテーマにも当てはまらないものは「未分類」に置き、推測で補わない。 6. 良い評価しかない口コミから不満を作らない。 ``` ルール1と3が、この作業で起きやすい二つの失敗を防ぎます。一つは、言い換えが引用のように提示されること。もう一つは、サンプル内の件数が市場の割合のように書かれることです。ルール6は、前の節で見た高評価の偏りに対応します。 良い結果は、テーマが5つ前後で、各テーマに原文の引用が2件とID、N件中n件の表記、「未分類」の箱があり、冒頭に3行のサンプルの注意がある状態です。悪い結果は、「ユーザーの多くがUIに不満」のような件数のない要約、検索しても見つからない引用、キャンペーン表示のある口コミだけから作られた弱み、製品ページのAI要約から取った競合の強みです。 稟議や価格は、日本語の口コミでは遠回しに書かれることがあります。「上申が通りにくかった」「費用対効果の説明に苦労した」のような表現を、Claudeは価格への不満として拾わないことがあります。原文を引用のまま残し、人が読んで判断します。 ## 結果の表と、言えないこと 出来上がる表の列は、テーマ、原文の引用、ID、サンプル内の件数、投稿者の属性、注意書きです。URLは各IDに紐づけて別に保管します。この表で言えるのは「このサンプルの何件がこう書いたか」までです。20〜40件は、何人かの投稿者が何を書いたかを示すだけで、買い手全体の意見ではありません。「多くの」「ほとんどの」は使わず、「N件のうちn件」と書きます。 表を営業資料に移すときは、引用の扱いにも規約が関わります。社内メモに言い換えで書く用途と、口コミ本文を顧客向け資料に転載する用途は別で、後者はITreviewの転載禁止やBOXILの複製に関する規定に触れる可能性があるため、社内の法務に確認してください。 表はプロジェクトに、サンプルの説明とプロンプトとともに保管します。競合が大きなリリースを出したら作り直します。ITreviewのGridは新しい口コミを反映しやすい設計なので、半年前のサンプルは古いと考えてください。 ## 続けるのが大変なとき 複数の競合について口コミを読み続け、表を最新に保つ作業は単調で、途切れやすい仕事です。自社で続けるなら、上の小さな表を一つの競合、一つの問いごとに作り、日付を付けて更新します。 Steveのサイト(2026年10月7日確認)は、Steveが競合のウェブサイト、ニュース、レビュー、対応しているSNSを、提供された自社情報とあわせて調査すると説明しています。トップページに名前のあるレビューサイトはG2とTrustpilotです。バトルカードの各行には状態(Confirmed、Needs verification、Unverified)と出典へのリンクが付き、レビューが主張に影響するときは、Steveが差し替え案を作成して該当箇所に印を付け、PMMまたはCI担当者が現在の文と比較して、残す、適用する、両方を採用する、のいずれかを選びます。ITreview、BOXIL、日本語のレビューサイトへの対応は、サイトに記載がありません。日本のレビューサイトを読む工程は、この記事の方法のまま自社に残ります。G2やTrustpilotを含む公開情報の調査と、出典付きの主張の管理が続かない工程なら、[Steveの競合リサーチ](/ja/products/research)を確認してください。 ## よくある質問 ### ITreviewの口コミをAIで分析してよいですか? 規約の文面では決まりません。ITreviewの利用規約(改定2025年11月19日)は、スクレイピングとクローリング、承諾のない転載・複製、営業・営利目的の利用を禁止しています。画面で読んだ一部を社内分析のために貼ることの可否は書かれていないため、運営会社と社内の法務に確認してください。 ### BOXILの口コミはどこまで信用できますか? 読む側が偏りを数える材料はあります。BOXILは提供者からの対価を禁じつつ、運営が承諾したキャンペーンを例外とし、謝礼付きの口コミに「投稿経路 キャンペーン」と表示します(口コミガイドライン、2024年12月19日改定)。第三者による監査は見つかっていません。サンプル内の表示の件数と評価の分布を数えてから読んでください。 ### 口コミの謝礼や投稿キャンペーンは見分けられますか? BOXILでは口コミごとの表示で分かります。ITreviewには、運営やベンダーのキャンペーンページ(2026年6月は最大2,000円分のギフトカード)がありますが、口コミ単位の表示は今回見つかりませんでした。ITreviewの口コミが謝礼付きかどうかは、1件ずつには判断できません。 ### サンプルは何件必要ですか? 目安は20〜40件です。この記事の編集上の推奨で、統計的な根拠はありません。人が画面で読んで貼れる量であり、規約の確認が必要なため、大量の複製は避けるのが無難です。結果は「N件のうちn件」と書き、買い手全体の意見としては扱いません。 ### Steveで日本のレビューサイトを見られますか? サイトには記載がありません。Steveのサイト(2026年10月7日確認)は、レビューを調査対象の一つとし、G2とTrustpilotの名前を挙げていますが、ITreview、BOXIL、日本語の情報源には触れていません。日本のレビューサイトを読む工程は、この記事の方法で自社が行います。